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ビジネスで必要なメンタル・忍耐力を学ぶつもりが、人生についても考えさせられた書籍

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 今回は、「頭に来てもアホとは戦うな!人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法」を読んだので、感想をご紹介をしたいと思います。私の評価自体は非常に高い、極めて面白い本でした!!

 

 

なぜこの本を手に取ったか

一言で言ってしまえば、自分の周りにも「アホ」が多いからというところに尽きます(笑)ではここで言う、「アホ」というのは、どういう人のことを言うのでしょう。著者の田村耕太郎氏は「アホ」を以下のように定義しています。

一言で言えば、あなたがわざわざ 戦ったり、悩んだりする価値のない人間である。そして不条理な人物である。あなたにとって一見、目障りで邪魔である。時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋でもある。あなたに体当たりをして絡んで、自分の価値を上げようとする人物だ。

 

どうだろう。このブログを読んでくださっているあなたの身の回りにも、けっこういるのではないだろうか。また著者はこうも言っている。

日本のような嫉妬社会ではアホが出世しやすい。能力がある人格者は、出世する途中で多数のアホに足を引っ張られてつぶされる可能性が高いからだ。(中略)。このように、権力を持っている連中のなかにアホが多い。つまりアホは厄介な敵なのだ。 

 

私自身、いろいろな会社を見てきた。いわゆる小さい会社から大企業まで、幅広く見てこれた。著者の言うように、 大企業といわれる優秀な人が多い会社ほど、このアホが多い印象がある。おそらく中途半端に知恵がついてくると、差別化も難しくなり、こういったところでしか、のし上がることが難しいのかもしれない。非常に残念ではあるものの、こういった現状があるのは事実である。

 

感想

結論から言うと、とても面白くまた考えさせられる本だった。本書は220ページ程度ではあるが、1時間半ほどで読み終えることができた。上の目次からも察することができるように、著者の主張は、アホと戦う時間ほど無意味なものはないというところになる。以下は個人的に面白かったフレーズである。

 

脳は使えば使うほどよくなる唯一の臓器である。

あまり本書の内容とダイレクトに結びつくようなフレーズではないかもしれないが、ここはなるほどと思った。これはシンガポールの元首相であるリー・クワンユ氏の発言だそうだ。

 

たしかに使えば使うほどよくなる臓器って他にないなと思った。ビールやお酒が好きだからといって肝臓が良くなることはない(残念ながら、その場合どんどん悪くなり、健康診断で注意される可能性が高くなる)。物事を常に批判的に捉え、「それは本当か」という疑いの目を持つことが重要だという。

 

我々の普段の生活でも多くの情報が流れている。ただその中でどれが本当に意味のある情報なのかを選別することが難しくなってきている。そういった情報の取捨選択には、知識も重要ではあるし、どれだけ疑った目を持てるかということが必要不可欠になってくる。

 

成功者は無駄に戦わない

結局のところ無駄に戦ってよいことなど一つもない。上に出てきた「アホ」を負かしたところであなたにとって何のメリットがあるのだろうか。その場は、気分が晴れるかもしれないが、長期的に考えるとそれほどメリットがないことが多い。

 

むしろ余計な反感を持たせてしまい、変な所であなたの足を引っ張ってくるかもしれない。戦うということは無駄であることが多いのだ。また著者はこうも述べている。

嫌な相手にこそ、やられたフリ

無駄に戦って敵をさらに難敵にしてしまって将来を危うくするより、敵をこちらの味方にして自分のために利用したほうが生産的である。

 

著者はまた成功者ほど偉ぶらないとも言っている。結局は偉ぶってしまうと、反感を持つものなどが出てきて得られるものがないのだ。それよりも腰を低くして、フレンドリーにしていれば、あなたの味方をする人が出てきてくれるかもしれない。

 

実際、マネージャーの中には、常にニコニコしている人もいる。相手とのコミュニケーションを重視し、上のポジションにいるにもかかわらず、そういったことを出さない人がいる。

 

個人的にはこういった人の方がしたたかだなと感じることはある。実際に裏では何を考えているのかわからない部分もある。そういう風に考える一方で、そういった人たちの周りでは私も含め部下が正直な意見を知らず知らずのうちに本音ベースで話してしまっている部分もある。

 

ただ表向きかもしれないが、そういった立場の上の人が、「常にあなたの味方ですよ」という雰囲気がプラスに作用している場面を何度も見てきた。やはり好戦的になることは、賢いやり方ではないのである。

 

人生は、あなたが主役であるべきだ

本書ではやはりここが一番言いたいところなのであると思う。あなたの人生はあなたのものである。他人のために生きているわけではない。結局は相手の気持ちなどどうにもできないのである。そういったコントロールができない部分に関して、いちいち腹を立てたり悩んだりするのは生産的ではないのである。

 

著者のこの言葉が非常に響いた。

今あなたが他人からどう見られているかなんて、人生の最後から逆算すればどうでもいい途中経過なのだ。そんなつまらないことにとらわれているのは時間とエネルギーの無駄。人生を台無しにしているのだ。主役となってもっと思い通りに生きてみてもいいのではないか? 

 

乱暴な言い方かもしれないが、今あることのほとんどはどうでもいいことなのである。昔、あなたが悩んでいたことを思い出してほしい。今思うと、「そんなに悩んでたっけ」と思うほど、けっこう笑い話になってしまうことも多いのではないでしょうか。

 

あなたが主役の人生、あなたの足をひっぱる意味のないものに時間を取られるより、あなたらしさを出していくことの方が何倍も大事なのではないでしょうか。

 

終わりに

正直、思っていた以上の内容でした。冒頭にも述べたように、自分の周りにもアホが多いなという動機から、本書を取り、感情のコントロールといった部分を学んだ(今回のブログではあまり書いていないので、ぜひ本書を手に取っていただきたい)。

 

でもそれ以上に、あなたの人生なんだから、どうにもならないことにいちいち感情や時間を取られるなというもっとも大事なことを改めて認識させられた。非常に読みやすい本でもあります位、読者それぞれが今の人生と突き合わせて考えることがあるかと思うので、ぜひ一度読んでいただきたい。