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【投資初心者必見】投資信託での運用は必ずしも複利にならないところに注意

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今回は投資信託に関してです。個人的には「つみたてNISA」や「iDeco」といったものが流行って、日本での投資文化が広まってくれればと思う一方で、少し気になる所もあります。

 

それが複利というものです。「〇%の複利で運用すると、何年後にいくら」といった案内をよく見かけます。よく紹介がされているように複利というのは、資産形成の強い味方になってくれるのですが、先ほどのような「複利〇%で運用したら」というのは多くの場合、正確ではありません。今回は投資を新しく始められた方のため、また投資を始めようとされている方のために、リターンの部分についてお話をしたいと思います。

 

 

複利とは

複利とは金利の計算方法の1つで、元本に金利を追加したものを利用して金利をまた計算し加えていく方法になります。例えば、100万円を10%で3年間運用する場合、3年後には1,331,000円となります(1,300,000円ではないです)。

 

1,000,000円の10%の3乗 = 1,000,000*1.1*1.1*1.1で計算がされます。このような計算になるので、金利が高ければ高いほど、また期間が長ければ長いほど、資産は膨らんでいきます。複利というのはうまく味方につければ、あなたの資産を増やす大きな手段となります。

 

投資信託では複利の計算は使えない

投資信託ではこの複利という考え方はほぼ使えません。理由は、確実に何%の利回りを確保できるということがないからです。先ほどの例を使って考えてみましょう。このケースでは、「100万円を10%で3年間運用する」というケースでした。この場合は、1,331,000円となります。

 

では今度は「100万円を年間平均10%で3年間運用する」というケースを見てみましょう。こうなると前提が大きく変わってきます。なぜならば1年間で10%となるような数字であれば、年平均10%になるからです。

 

一例を見てみましょう。例えば、1年目が10%、2年目が5%、3年目が15%だとします。年間平均は10%になります。だがしかし、実際にいくらになるか計算をしてみると、1,328,500円となり金額が少なくなります。(ちなみに計算式は1,000,000*1.1*1.05*1.15です)

 

つまり確実に10%で運用できるケースでないと、10%の複利運用にはならないのです。加えて、投資ではマイナスになるケースもあります。リーマンショックの時は流動性の低下から多くの資産が大幅な下落に晒されました。そうなると、ますます複利での運用というのはできません。

 

過去のリターンは所詮過去のリターン

最後にですが、念のため付け加えさせていただくと、過去のリターンは所詮過去のリターンということを忘れないでください。過去に50%上がっているからと言って、これからも50%上がるということはありません。普段の生活でもそうだと思いますが、今まで自分が成し遂げてきた実績を維持するというのは、非常に難しいことです。

 

これは投資でも同じです。特に投資では運と言った部分も多くあり、高い利回りを維持するのは、プロであっても難しいです。そのためにリスク管理ということが重要になってきます。

 

以前「『投資】と 『投機』の違いは結局何?資産運用では必ず『投資』を!」で「予想しないことの重要性」をお話ししました。投資の運用コストを抑え、前もって決めた資産分配(アロケーション)の維持を徹底的に行うことがとても大事なのです。

 

現在、日本では「つみたてNISA」や「iDeco」といったサービスが展開されています。国策として資産運用を推進し、税金の控除を提供してくれています。投資に興味を持った人が増えてくれていることは、非常に素晴らしいと思う一方で、投資に関しての間違った情報が出回ってしまっている印象も受けます。あなたの大事な資産です。正しく運用を行っていく人が、より増えていってくれれば幸いです。

 

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