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外資系金融機関 オペレーションの仕事内容と給与

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今回は外資系金融機関でのオペレーションというチームについてです。前回の記事「女性も活躍 外資系金融での階級と女性管理職の割合 」でこのようなご紹介をさせていただきました。

オペレーションという部署では、管理職の70%くらいは女性といっても過言ではないでしょう。オペレーション部門とは、いわゆる金融の事務を行う部署になります。具体的には、取引が行われたらそれが正しくシステムに入力され決済まで問題なく行われるかという点を見ていきます 

さらっと「金融の事務」で「女性管理職が多い」とさせていただきましたが、そもそもどんな仕事をしているのか、お給料はどのような感じなのか、まとめさせていただきます。

 

 

オペレーション部門の仕事内容

オペレーションチームは、日本語で言えば「金融事務」となりますが、仕事内容としてはかなり専門的にはなります。まずオペレーションと一言で言っても、業務内容は幅広くチームも多岐にわたります。一般的には取引のフローで考えたときに執行がされたあとの部分を対応するのがオペレーションとなります。

 

オペレーションの中には、ミドルオフィス、バックオフィスと呼ばれる部門があり、それぞれが何をカバーしているのかは会社によって多少の差異はあるものの、一般的にはフロントからどれだけ近いかという意味で、ミドルオフィス・バックオフィスという呼ばれ方をします。ではオペレーションの中の仕事内容をもう少し見ていきましょう。

 

取引内容の確認

まずはトレーダーのサポートです。ご存知の通り、トレーダーは取引を実際に執行します。それは営業がもってきた取引(セールストレード)、あるいはブローカーと直接行った取引(ブローカートレード)というケースが主にあります。いずれにしろトレーダーの取引は、収益に直接関係がある部分なので、取引が正しく執行されない、システムに反映されていないというのは、致命的なことになりますそこを正しく反映されているかを確認するのが一つの大きなゴールとなります。

 

また営業のサポートもあります。セールストレードはセールスが実際にお客さんとの関係を構築し、取引を販売していきます。顧客との取引が正しくシステムに反映されていないとお客様との取引が正しくプロセスされません。例えば、お客さんと1000万円の取引を行ったのに、実際は100万円で入力がされていたら、間違った情報がお客さんに飛び、正しく執行がされません。営業が持ってきた取引の内容を確認するのも大事な仕事内容の一つです。

 

コンファメーションの作成

現在多くの取引が電子化され、取引内容も情報端末上で見るというケースが多くなってきました。例えば金利スワップの世界ではマークイットワイヤー(MarkitWire)と呼ばれる照合システムを使用し、顧客に取引内容をシステム上で照合し、内容を確認するというフローが取られています。ただ、一方で商品や顧客によっては、コンファメーション(Confirmation)と呼ばれる取引内容を書面で記載されたものを作成することがあります。

 

具体的にはいつ、いくらで、どのような取引を行ったかということが法的拘束力のある形で記載がされます。お客様から署名をいただき、取引内容を確認するというフローも取られています。またこういったコンファメーションに関わるフローの改善に関わるプロジェクトに参加することもあります。

 

お金の決済

実際に取引が完了するとお金の決済が行われます。株式であれ、債券であれ、デリバティブであれ、いかなる商品でも決済ということが起きます。そこを担当するのが決済チーム(セトルメントチーム / Settlement Team)と呼ばれる部門になります。基本的にはフロントが入力したものを、ミドルオフィスが取引内容の照合し、最後の決済の部分になるのでバックオフィスと呼ばれる形で所属することもあります。

 

ここまでで取引内容は確認がされているはずではあるので、そのシステムに入っているものをお客さんと決済します。その際にはSWIFTと呼ばれるシステムで決済が行われます。

 

一応、この決済チームに情報が入ってくるときには複数のチェックを通り抜けては来ているのですが、それでもお客様と金額の認識がずれていることがあります。その際にはミドルオフィスに取引内容の再確認を依頼することもあります。実際のお金が関わってくるという意味では非常に責任の重い部署にはなりますが、数々のチェック機能も置かれていますので、その情報に基づいて正しくお客さんと資金のやり取りを行うことが重要となってきます。

 

各種プロジェクトへの参入

金融業界では数多くの規制やプロジェクトがあります。例えばMiFID 2 (Markets in Financial. Instruments Directive 2)という規制や、JSCCで新しい商品のクリアリングやサービスが始まるというときは、オペレーションサイドからも、取引の執行がスムーズに行われるか意見を求められます。規制に対しても一定の知見がないとできない仕事なので、専門性が求められます。

 

オペレーション部門の給与

オペレーション部門の給与に関して、「【体験談】外資系金融のオペレーション部門の年収はどれくらい? - 外資系金融で働く.COM」ではこのように紹介されています。

20代で得られる収入は約600万円~800万円のレンジ

30代では年収は800万円以上となる

 

実際にオペレーション部門の給与を見ていますと、概ねこのイメージで間違いはありません。管理職になると2000万円近くの報酬を得ることができます。フロント部門のように何千万、何億と稼ぐことはできませんが、それでも一般企業と比べると十分な報酬かと思います。

 

勤務時間はそこまで悪くはない

外資系金融機関のフロント部門に入ると、文字通り朝から晩まで、また週末も働くということはあります(最近は少し改善はされつつありますが、それでも長いです)。オペレーション部門は会社やチームにもよりますが、そこまでではありません。チームによっては、9時から18時ということも普通にあります。遅くても20時か21時といったところでしょうか

 

オペレーション部門は以下に効率的に業務を行うかというところが一つのポイントではありますので、勤務時間が長いということは、何かプロセスに問題があるということになりますので、そこを改善するというのも仕事の一つとなります。

 

ただ管理職になると少し状況は変わります。NYやLondonといった海外オフィスとの電話会議というものも入ってきますので、時差の関係上必然的に夜や朝の電話会議は入ってきます。もちろん海外オフィスも時差を考慮し、真夜中に入れるということはあまりありませんが、早朝あるいは夜遅くに会議に参加する必要が出てくることはあります。それでも毎日というわけではないので、極端に長い勤務時間を経験することは比較的少ないかと思います。

 

終わりに

いかがでしたでしょうか。オペレーションと言っても仕事内容は非常に多岐にわたるので、どのチームに入るかというところはありますが、給与やワークライフバランスという点ではそこまで悪くないかと思います。ただ専門性は求められるという点と、海外とのやりとりがあるという点は実際問題ありますもしそういった環境を楽しめるのであれば非常にやりがいのある仕事になるのではないでしょうか。