スワップションの決済にはPhysicalとCashがある
過去に一度SABRモデルに関して触れたことがあるのですが、スワップション(Swaption)の決済についてお話ししたいと思います。
スワップションの決済は主に2つです。
1. Physical Settle
2. Cash Settle
では実際にどういったものなのかご紹介します。スワップションの満期が来たとします。このスワップションはITM(In the money)なので、価値を持ったものとなり、行使がされます。
Physical Settleはスワップを始める取引
もしPhysical Settleであれば、元々契約をしていたスワップを始めることになります。例えば、3か月後スタートの10年のレシーバースワップションであれば、満期になり、ITMだった場合、その時点から10年の固定金利受けのスワップションが始まります。
おそらくこれが一番ベーシックなもので、しっくりくるのではないでしょうか。
Cash Settleはキャッシュ(お金)のやり取り
一方、Cash Settleの場合は、満期の時のスワップの時価の金額(キャッシュ)をやりとりします。そのため、実際にスワップは締結がされません。では今度は実際に取引をしているブローカーから見て、どちらの決済方法が魅力的でしょうか。
一般的には、Cash Settleの方になります。理由としてはSwapを組む必要がないからです。そのスワップ分の時価を今受け取ることができるので、各種リスクに晒されずにすみます。
日本ではphysicalのケースの方が多いかと思いますが、欧州ではcash settleという方法はかなり一般的に使われています。日本ではCash settleの取引で満期を迎えた場合、
TSR(Tokyo Swap Reference rate)を使い時価評価をし、デルタヘッジのスワップを入れるケースが主流です。
スワップでいうデルタはまた別途お話ししたいと思います。