オプションでのデルタリスクをヘッジしてみよう
過去ブログ「オプションのデルタの復習」で、オプションのデルタリスクについて、
少し話をさせていただきました。そこのブログではデルタを以下のように
定義させていただきました。
- 原資産の変動に対してオプションの価値がどの程度動くか
- この満期時点でオプションが行使される確率がデルタ
結局のところ、この原資産が動くことによってオプションは価値を持ったり持たなかったりするわけですので、この原資産の動きに対するオプションの価値の変動をなくそうというモチベーションがトレーダーには出てきます。
デルタリスクをヘッジするデルタヘッジ
ではここで行使価格10000円のコールオプションをショート(売り建て)してみたと考えます。オプションはショートするとプレミアムをもらうことができる一方で、もし原資産の価格が上昇していけば、自分の損失は無限大になっていきます。
ここではプレミアムの影響をなしで考えてみたいのですが、つまり原資産が10000円を超えれば超えるほど自分の損失が拡大していきます。
ここからも分かるようにこのケースでは原資産の商品をロング(買い建て)していれば、オプションで損する分を原資産の儲けでヘッジすることができます。
デルタヘッジの実際
ではどのくらい原資産の商品を買えばいいか?それはデルタがオプションが行使される確率という考え方から行っていきます。
現在のその原資産の価格が10000円の場合、行使価格も10000円ですとATM(At the money)となる。つまりデルタは50%ということになります。
もしこのコールオプションを100万円分ショートしていた場合、50万円分ロングのポジションを持てばデルタがヘッジされる(フルヘッジするかパーシャルでヘッジするかはトレーダーの戦略による)。
以下の表は自分の持っているオプションに対してデルタヘッジを行う場合、原資産をどうすればよいかまとめてみました。
ロング | ショート | |
コールオプション | ショート | ロング |
プットオプション | ロング | ショート |
つまりオプションのデルタ分を上の表のアクションでヘッジすれば、デルタリスクをヘッジすることができる。
まとめ
繰り返しになりますが、このようなオプションリスク(グリークスとも呼ばれます)はどのようにするのが正解かというわけではなくて、自分の考えている相場観や「どの部分でリスクをとりたいか」という考え方によって決まってきます。
そのシナリオ通りに数字を近づけていくことがこのオプションのリスクをヘッジするという意味合いになってきます。
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