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オプションのデルタの復習

前回ブログ「プロが見る!為替の需給と言えばRR」で、デルタというコンセプトが登場しました。そのときは、為替の25D(デルタ)というところで、RR(リスクリバーサル)を作り、そのボラティリティからマーケットが為替レートがどちらに動くとみているかを判断することができるという話をしました。
 
趣旨から外れるので、あまり話をしませんでしたが、念のためオプションでいうデルタという概念について触れておきたいと思います。(今回は数式はなしで考えてみたいと思います)
 

オプションの世界でのデルタとは

まず一般的にデルタとは、原資産の変動に対してオプションの価値がどの程度動くかという意味になります。この言い方だとピンと来ないかもしれませんが、ちょっと我慢してください。
 
原資産ですが、何のオプションの「何の」のところに入るものだと考えてください。225のオプションであれば225が原資産ですし、ドル円のオプションであればドル円が原資産になります。
 
つまりこの何のオプションの「何の」のところに入るものが動いたときに、そのオプションがどれだけ動くかということになります。なぜそれが大事かというとオプションを取引する人は、結局この原資産がどこにあるかによってそのオプションが行使されるのか否かというところに関わってくるからです。
 
行使価格が10000円のオプションをもっていたら、その原資産が10000円を超えるかどうかというのはそのトレーダーにとっては非常に重要な関心事になってくるからです。
 

デルタはそのオプションが行使される確率

行使価格が10000円で買う権利を持っているオプションがあります。もし今原資産の価格が10000円であれば、満期にオプションが行使される確率はざっくり五分五分と考えることができます。
 
9999円であれば行使されないですし、10001円であれば行使されます。(プレミアムは考えていません)。つまりATM(At the money / アットザマネー)となり、デルタは50%となります。
 
今度は同じオプションで原資産価格が15000円だとします。満期までの期間にもよりますが、行使される確率はかなり高いでしょう。かなり高いというのは、五分五分よりも有利ということです。つまりデルタは50%を超えてくることになります。このような状態をITM(In the money / インザマネー)と言います。
 
逆に原資産価格が5000円だとします。ざっくり行使される確率は50%を切ることがイメージできるかと思います。このようなオプションはOTM(Out of the money / アウトオブザマネー)と呼ばれます。
 
この満期時点でオプションが行使される確率がデルタと考えることができます。前回のブログで25デルタという表記が出てきました。これはOTMのオプションということはもうお分かりいただけるかと思います。このOTMのコールオプションとプットオプションを組み合わせてリスクリバーサルを構築します。(為替市場でこの25デルタの所は比較的流動性があります)。
 
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デリバティブに関わるうえでは、まずこれだけは読んでおきたい参考書籍を選びました。ぜひご一読ください。
オプションのモデルとしてまず覚えたいブラックモデル。その式の概要をまとめました。

www.finance-tenshoku.com

デルタの意味を理解した上で、デルタヘッジにご関心のある方はこちらの記事もご参照ください。

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